第307章

「どうした?」

 荷物を置きながら、彼は短く問うた。

「望月社長、その……スマホをご覧になったほうがよろしいかと」

 大谷森は躊躇いがちに切り出した。

 本来ならば、この件についてトップがどう考えているのかを尋ねるつもりだった。しかし、目の前の主、望月琛はネット上の騒ぎになど微塵も気づいていない様子だ。

 望月琛は一度荷物を置き、重厚なオフィスチェアに身を沈めてから、ようやくスマホの画面を点灯させた。

 トレンド欄を目で追うにつれ、その眉間には深い皺が刻まれていく。

 顔を上げた彼は、即座に命じた。

「広報に釈明の準備をさせろ。その後、俺が出る」

「は?」

 その指示に、...

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